カブトムシだ。オスの。

 

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  昨日から恋人の実家にお泊まりでお邪魔している。3ヶ月前くらいに初めて遊びに行って、それから結構頻繁にお邪魔したりその際にお風呂も入れてもらったり(初めて遊びに行く日の数日前に改装工事をされていてとっても綺麗。恋人のお母さんも綺麗やろぉと嬉しそうだった)していて全然そんな気はしなかったのだけど恋人の実家にお泊まりするのは2回目らしい。そんな筈はと笑ったけど、たしかに数えてみると2回目だった。遊びに行くたびに晩御飯をご馳走になったり実家の裏に建てたおじいさんのお家の一部屋に泊まらせてもらったり(物置に使っていた部屋を物を片付けたり引き取ってもらったり掃除したりして使わせてもらった。使うと楽しく嬉しい気持ちになる健康器具はそのまま部屋に置いてもらってお邪魔するたびに遊ばせてもらっている)していたから感覚が麻痺してしまった。実家にお泊まり、2回目だ。

 夜帰宅すると家の下の階段までの通路、自転車置き場の後ろのスペースに大きな何かが蠢いていた。瞬時に私は「ゴキブリやん!」と身を固めたが、よくみると立派なツノを所有していた。カブトムシだ。オスの。ひっくり返ってた。なぜこんなところに?確かに私が住んでいるのは田んぼがあったり街灯少なかったり田舎ちっくな場所だけど大きな木はないし、電車も車もビュンビュン通る。なんなら線路の真横だ。カブトムシにとっていい物件とは言えなさそう。人間の私にとってもちょっと住みにくい物件だから。カブトムシはもがいてゆっくり回転している。裏返ったまま。くるくると。ここの住人の誰かが飼っていて逃げ出したのか。にしても中途半端なところで失敗してしまったものだな。木のある場所なんかに連れて行ってあげられるとよいのだが私は虫はさわれないし急にバタバタされないように出来るだけ離れて限りなく壁に近づいてと言うか壁に体をずりずり擦りながらカブトムシを避けて何とか階段を登ろうとしているので彼には悪いけど不親切にもひっくり返ったカブトムシはひっくり返ったカブトムシのままだ。大きいツノがるのであのカブトムシはオスだという知識くらいは持っていた。