閉じられた傘をみんな持っていた

 

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  美意識が高く歯を清潔に保ちホワイトニングに熱心な恋人よりも私は歯を磨いている時間が長い。丁寧とかそういうことではなく考え事をしながらかしゃかしゃやってふと気づいたときに磨く場所を変えてまたかしゃかしゃしてまた変えて、と特に意識せずに磨いているものだからこの歯は磨いたのだっけ?とわからなくなってしまってずっと磨いている。従妹に私よりも長く磨いてそして一度うがいをしてからまた磨く人がいる。磨きすぎで歯科医師さんにおこられた人でもある。

 ラマになった王様を見た。子供のころ好きでよく見ていたのを改めてみるとクロンクは最初からそこまで悪くないしなんでかめちゃくちゃ怪しいし自ら首にしたイヅマのことを王様は信用しているしあと王様は吹き替えの声が藤原竜也だし面白かった。若い藤原竜也の声がした。藤原竜也のことは昔から好きだったのに何で気づかなかったのかと疑問だったが、ラマになった王様2クロンクのノリノリ大作戦を見て前作と声優が変わっていることに気づいてなるほどなとなった。なぜだか昔よく見ていたのは2の方だったからそちらで覚えていたみたいだ。リロアンドスティッチもよく見ていたのはアニメシリーズに繋がるザ・ムービーの方だった。代表作みたいな方を見ない。

 昼過ぎにはがきを投函するために外に出てポストがある郵便局に行くまでの道に小学校がありちょうど下校時間と重なっていてたくさんの児童がわらわら出てきていた。私が小学生の頃は、というか学生の頃は途中までは友達と帰っていたけど今日見た小学生たちの中には校門から出る時点で一人でとっとこ歩いている子が大勢いた。雨が降る日だったけどその時間はやんでいたので閉じられた傘をみんな持っていて低学年の男の子たちはそれを武器に戦いながら帰っていた。高校卒業してから22歳くらいまでは高校生くらいのきゃぴきゃぴと元気な若者のパワーというか輝きというかがあまりにまぶしくて苦手で怖かったけど、今は小学生男児が怖いなと思う。気が高ぶって甲高い声を上げて早口で話しあちこち蛇行しながら走る彼らがとても怖い。怖いものなしのようで怖い。私の腹あたりくらいまでしかない身長の彼らと信号待ちをしていると信号が変わった瞬間に彼らは走り出し向かいからおばさんが自転車を走らせているというのに傘を横持ちして右へ行ったり左へ行ったりしながら走りまわり叫びたくなった。私がおばさんなら叫んでいる。轢いてしまったら轢いてしまった方が悪くなるというのにいくらこちらが気を付けていても向こうからやってこられたのでは回避しようがない。彼らの親の気持ちになると自分の子が自分の目の届かない場所でそんな恐ろしい行為をしているのかとおもうと本当に恐ろしい。自分の子を自分の手から離せる自信がない。かわいい子に旅なんて絶対にさせられない。添乗員付きのツアーを組んで私も一緒に参加する。

 うちに帰り、読書の日記を読み、焼きそばという文字が見えたのでお湯を沸かして昨日買ったカップ焼きそばを早速食べた。久しぶりというか一年以上ぶりのそれはあまりおいしくは感じなかったし一緒についていたチキンスープはおなかがいっぱいで飲めなかったけれど大変満たされた。